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  • 執筆者の写真Naoko Moller

「決まり」というルティーン


1センチに2目。という「決まり」で縫い始めた、刺し子の花ふきん。

最初は針と目の具合がわからず、大変でしたが、慣れてきて、考えなくてもそのように手が進みます。

でも、慣れにかまけていると、時々ズレます。時々、心を軌道修正するかのように、針先に気持ちを合わせ、二目、二目と思いながらズレを最小限に食い止めます。


福島のお寺さんにて

それでも、1センチ2目という「決まり」があことにより、作業はどんどん楽になります。

そうやって、一目一目、細い針で布を掬いながら、母が言ってたことを思い出しました。




育ったお寺は、家族をはじめ、弟子やお手伝いさんなど、大所帯でした。

一人お腹がいっぱいでも、食事の時は全員、座って、いただきますをします。

欠かすことはご法度です。


「今日はいらないなあ。。」と、漏らすと、母が決まって、「決まりだから済ませてしまおう」と言うのです。

この時のこの、決まりは、ルールとか決定されている事柄、などと言う深い意味ではなく、

「毎日のルティーン」と受け止めるとしっくりきます。


「決まりだから、とりあえず食べましょう。食事を済ませましょう。」という意味だと思うのです。


お寺では10AMと3PMはお茶の時間

外来語として、ルティーン(Routine)というカタカナ語を耳にするようになりました。その意味としては、「日々の活動、繰り返されるもの」とあります。


そして、今、COVID-19が蔓延する中、Stay homeの指示が出ています。


大人も子どもたちも余儀なく家で過ごしています。学校は閉鎖され、子どもたちは外で遊ぶこともままならず、自宅にいます。


毎年、何もしなくとも咲いてくれるアイリス

小さければ、小さいほど、生活にルティーンは必要です。それは一日のリズムです。

子どもの生活はリズムで賄われます。リズムが暮らしにあることにより、心穏やかになるのです。


特に、今のカオスから、ネガティブな情報ばかり取り込む前に、自分でできることをする。


より快適に、身体に負担をかけないように、家族としてのルティーンをもう一度考え直すといいかなと思います。


命あるもの、誰しも、ある程度の「生活の決まり」は必要。

野の花、野生の動物たちには誰に教わらなくても、毎日のルティーンがあります。


朝、七面鳥が木から降りてくるのが、7時ごろ、夕方、また、木に戻るのが7時ごろ。

独特の鳴き声が聞こえます。そして、木に飛び降りる順番も決まっているようです。

家族思いの野生の鳥たち。


1センチ2目

自らこのようなルティーンを、崩していく私たち、人間。


崩せるなら作れます。


今だからこそ、起きる時間、食事の時間、回数、寝る時間など、基本生活のリズム、ルティーンを作りましょう。


野生と違い、人間は自ら、自分で「決まり」を作れるのですから。

「家族の日常の決まり」を考え、生活の軌道修正をし、

この異常な状況をうまく乗り切ってください。



カランデュラ。少し愛でて、あとはサラダに。

花ふきんに話を戻すと、

1センチに2目を延々と縫い進み、ようやく出来上がりました。



一日も早く、コロナ終息を願い、世界に平和な時間がもどりますように。



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