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  • 執筆者の写真Naoko Moller

精進だし

更新日:2020年10月5日

精進出しは精進料理で使う出汁のことです。

和食において、「精進」とは動物性のものではなく、植物性のもの、プラントベースのものを指します。

精進だしは、だし汁で味付けをするのではなく、素材、(野菜)の持っている元の味を、旨味を引き出すのが精進だしの役割です。


精進料理はお寺で修行僧がいただくもの、食べることにも仏の教えがあります。

「精進」とは「雑念を去り一心に仏道修行する」という仏教用語に由来し、お寺だでいただくお料理を精進料理と言います。





昆布、切り干し大根、椎茸、そして、干しズッキーニ



〜水で戻す出汁と、はじっくりと煮る出汁〜

精進出しは、植物性の材料から取っただし汁です。必ずしも椎茸や昆布だけの出汁ではありません。


主な材料は、椎茸、かんぴょう、昆布、大豆などの、乾物の戻し汁。

それから、加熱して、じっくりと煮出した汁もだし汁と言います。

じっくりと煮る場合は、生の野菜をじっくりと煮出す。もちろん乾物と合わせることで旨味もまします。



動物性のものと比較すると、(特に近年では化学調味料の味に慣れてしまっている場合が多い)旨味が優しいので、いくつかの素材を組み合わせて出汁をとるといいでしょう。


左から、昆布、切り干し大根、かんぴょう




〜精進料理の六つ目の味「淡い」を引き出す〜



精進料理は、野菜だけで、野菜の旨味を味わうものです。和食の五つの味、酸味、苦味、甘み、辛味、そして塩味、に加えて、六つ目は淡い味。

この「淡味」に重きをおきます。


基本の精進だし

10時間以上、水にいれてゆっくりと旨味をだすといいでしょう。


浸昆布、椎茸、それぞれ15g—20gに対してそれぞれ水500cc。

または椎茸、昆布を同じ容器にいれて1Lの水を入れる。



打ち豆、大豆を蒸して、潰して、乾燥させたものです。これも甘みがあります。



干しズッキーニ。我が家では食べきれないズッキーニは干して保存しておきます。

水分が抜けて、癖のない甘みがあります。



〜出汁で食べるのではない〜

出汁の味で食べるものではないということを念頭にいれて、精進だしを有効活用し、

美味しい野菜の本来の味を楽しめるお料理を作りたいですね。



山の家のお料理教室では、このようなことも学べます。



ちなみに、英語では 出汁は stockストック、または、broth ブロス。

ストックは主に動物性の骨を煮込んだもの。ブロスは骨だけではなく、肉なども入れ、それに野菜などいれたりしたものを指しますが、最近、この二つの使い分けはあまりはっきりとしていません。

お店には、チキンストック、チキンブロスと両方あります。



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