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  • 執筆者の写真Naoko Moller

火事の爪痕から再生へ


サンフランシスコからちょっと南にある町、サンタクルーズは昨年、西海岸を襲った大規模な山火事で多くの家や森林が焼けました。

その中に、次男の家がありました。

先週、初めて私たちはその跡地へ行ってきました。



全焼した家の裏には広いデッキがありました。そのデッキの真ん中に大きな木が一本あったのですが、これがその木です。

炭化した木。なんとも悲しい状態です。





「ボロ屋だったから、これで新しい家が建てられる」と口では言っている次男。

そう言う言い方をして自分を奮い立たせているようでした。


それを聞いて心が痛む私たち。


一体いつになったら元の暮らしに戻ることができるのか、これから何をどう片付けていくのだろうか?どこから始めるの?などと、聞きたいことがいっぱい。でも、

そんなこと聞いてどうなるのか、などと、色々な思いが交差しました。



黙々と燃え残った木を切り、片付ける日々。


そんな中



生き延びたフルーツの木3本は、こんな中でも実をつけていました。甘いプラム、そして

りんご。


自然の力ってすごい。


力がでる。




ご近所も同じような状況で、見るも無惨な状況です。そして、辺りからは、チェーンソーの音が響いてきます。みんな、頑張ってる。





3本生きながらえたフルーツの木。



ひよひよしたポピーが咲いていました。これは家の前にあった花壇の花。


ということは、この花の後ろには家があったのです。


嬉しいやら悲しいやら。やるせない気持ちです。


でも、草は生えてきて、残った木々からも新芽がでていました。





生命力ってすごいな。再生力ってすごいな。

人間も負けてはいられない。


前に向かって、進む。


この土地に、私たち夫婦は、5年後に引っ越すことにしています。


それまでに、私たち夫婦の家と、次男夫婦の家が建つのです。


専門家の手を、知恵と力を借りながら、次男が自分で家を建てるのです。


この荒れ果てた場所を見ながら、そんなことがよく考えられるなあ、と、私は思ってしまいますが、彼は夢と希望をもっていると言います。



そして、私に、実のなる木が欲しいって言ったよね、なにがいい?

と聞いてくれました。


いちじく

ラズベリー

ブルーベリー

ネクタリン

レモン


とりあえずこれだけあったら幸せかも!


もう燃えてしまったのは、帰ってこない。

過去は振り返らず、前に進もう。




プラムを両手いっぱい捥ぎました。

来年はもっと、もっと実をつけてくれることでしょう。






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